「TERRACE+SPORTS」
広場に大きな屋根をかけるテラスポ鶴舞|名古屋

*2018 グッドデザイン賞・ウッドデザイン賞 受賞


テラスポ(TERRASPO)は、テラス(TERRACE)とスポーツ(SPORTS)を組み合わせた言葉。
スポーツで人をつなぎ、新しいコミュニティを生み出していく「市民のテラス空間」

Photo : Nobuaki Nakagawa 
Text : Kana Tanabe

INTERVIEW

愛知県サッカー協会 徳田専務理事にお聞きしました

「テラスポ鶴舞」整備の中心人物である愛知県サッカー協会の徳田専務理事にお聞きしました。
徳田さんは日本サッカー協会の施設委員長としても、サッカーをはじめとするスポーツ環境の整備を推進されています。

この施設で目指したことや特徴はなんですか?
サッカーやスポーツをする人・見る人・支える人だけでなく、サッカーやスポーツにあまり興味のない人も、訪れたい、心地いいと感じる施設を目指しました。スポーツを広義で考え、競技に特化した施設ではなく、コミュニティを生み出すことができることを大切にしました。

また、施設を愛知県サッカー協会で整備し、名古屋市に寄付をしました。運営に関しても、市の予算(指定管理費)を受けずに行っていることも大きな特徴です。

行政と民間がパートナーを組んで公共サービスを行うPPPとして整備、運営されている。



とくに気に入っているところはどこですか?
クラブハウスにテラスやラウンジなど、人の居場所が多くあるところですね。特にラウンジは開放感があり、公園を散歩する人などが気軽に訪れています。
街中の施設として夜間照明付きの人工芝グラウンド2面あることも利用者の幅を広げており、土日はほぼ100%年間を通して70%を超える高い利用率となっています。

実際にできてから気づいたことはありますか?
クラブハウス中央の屋根のかかったセンターテラスの利用価値が高く、イベントなどに有効に利用されています。また、2つのグラウンドがよく見えるため、選手の家族などが、軒下のテラスでくつろぎながら観戦をしていることも多くみられる風景です。
印象に残ったイベントなどはありますか?
障がい者と健常者が一緒にサッカーに取り組んだイベント「誰でもサッカー広場」を開催しましたが、サッカーを通じて誰もが一体になる、まさにスポーツの力を感じました。(当日の様子のムービーがページの一番下でご覧いただけます。)
最近の新型コロナ感染の状況下で、気づいたことや施設の今後の役割などがあればお聞かせください。
この施設は公園全体が広域避難場所としての役割を担っています。クラブハウスは医務室やマルチルーム、トイレ、シャワーなどが整っており、災害時には避難施設として使われるよう計画しています。大学病院が公園に隣接をしており、災害時(新型コロナ感染も含め)には病院と協力してサテライトとしての役割を担うことができればと考えています。
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MOVIE

動画

2018年10月28日、テラスポ鶴舞にて、サッカーやスポーツの普及・促進を目指し、誰でも気軽にサッカーの試合やアトラクションを体験できる「だれでもサッカー広場 フットボールデー2018愛知」が開催されました。様々な障がい者サッカーチームと団体が一堂に参加し、健常者と一緒にサッカーを楽しむイベントは愛知県で初めての開催。多様な人々が参加し、スポーツを通じて新しいつながりがうまれる、テラスポ鶴舞を象徴するイベントとなりました。

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